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臨床看護技術と医療知識

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心臓疾患とインターベンション治療の可能性

社会の高齢化や生活習慣の欧米化に伴い、心臓病の患者数は増加の一途を辿っており、死亡原因ではがんに続く第2位となっています。インターベンション治療の分野では、時代と共にPOBAからSTENT、それからDESの時代へと進歩し、多くの新しい機器を使用して安全かつ迅速に治療を行うことが可能となりました。また最近では、心臓のみならず腎動脈や下肢動脈などの末梢血管に対しても積極的に治療するようになりました。

心臓血管外科は急患が多い

検査においては、画像診断も大きな発展を遂げ、MDCTを多くの施設が導入しており、患者さんへの負担を大幅に軽減できることになりました。また心臓外科においては、OFF-PUMP CABGなどの低侵襲治療が急速に普及し、患者さんの早期社会復帰が可能となりました。

しかし、冠動脈疾患の治療において問題の全てが解消されたわけではありません。心臓病の患者さんにおける予防・検査・治療・リハビリまでを包括的に管理する医療体制が不可欠で、また急性疾患が多いため敏速な診断と治療が求められます。

そのためには循環器内科医と心臓血管外科医がチームとなりそれぞれの経験と技術を最大限に発揮して治療にあたり、患者さんの生命予後を改善することが重要となります。

これらの点を踏まえて、テーマに「外科との共同治療」を掲げた学会も開催されました。循環器内科と心臓血管外科が連携して治療を行っている医療機関から専門医を招聘して、シンポジウムを行いました。パネルディスカッションでは、各病院で現在取り組まれている工夫を発表頂き好評を博しました。一般講演では、先生方およびコメディカルの方々が日々取り組んでおられる成果を発表して頂きました。

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循環器内科で診察する不整脈

健康診断を受けた後に医師から指摘される機会が多い不整脈に「期外収縮」というタイプがあります。「たま脈が飛ぶ」あるいは「一瞬、胸がドキンとする」と訴える人のの多くは期外収縮が原因です。

聴診器で心臓の状態を調べる

普段、心臓は規則正しく同じ間隔で収縮していますが、期外収縮では心臓が突然少し早く収縮するのです。多くの人は期外収縮の自覚症状はありませんが、心臓の状態を24時間にわたってモニターする24時間心電図で検査してみると、ほとんどの人に期外収縮が認められます。

一日に数回だけの人もいれば、数万回も認める人もいます。この期外収縮がたくさん出ていると不整脈によって死亡するリスクは高くなるのかという疑問が出てくるのは当然です。

心臓の中には心房と心室という2種類の部屋があります。心房あるいは房室接合部というところから生じる期外収縮を上室期外収縮、心室から起こるものを心室期外収縮と2種類に分けています。

上室期外収縮が原因で死亡することは非常にレアケースです。心室期外収縮も、心筋梗塞・狭心症・心筋症などの心疾患のない方は、仮に一日何万回も認められても、あるいは期外収縮の3発以上連続して起こるような心室頻拍があっても不整脈で死亡することは非常に稀で予後は良好となっています。

したがって、期外収縮による症状が強い場合は生活習慣の指導や薬物療法が治療の中心となりますが、無症状で心疾患のない方は治療をする必要はありません。ただ、一日数万発の心室期外収縮が出ている方のなかには、徐々に心機能が低下するケースが稀にあるので、定期的に心疾患の専門医や看護師がいる循環器内科を受診されることをお勧めします。この場合、薬剤やカテーテルで不整脈を治療すると心臓の健康状態の回復が期待できます。

一方、心疾患があって心機能が低下している場合、心室期外収縮が頻繁に出ていると死亡リスクも高くなりますが、不整脈治療の薬を内服すると逆に死亡リスクが上昇してしまう場合もありますので専門医に相談してください。

このように心疾患の有無を評価することが重要ですが、胸痛・呼吸困難・失神などの自覚症状が無く、心電図では期外収縮以外に異常を認めず、心疾患や突然死の家族歴がなく、聴診・胸部X線などの検査で問題が認められない場合は心疾患の可能性は低いといえます。

しかしそれだけでは分からない時もありますので、たくさん期外収縮を認める方は医療機関でさらに詳しく調べておきましょう。


看護師の増員と労働環境の改善が急務

厚生労働省と日本看護協会が行った調査によると、看護師や助産師など看護の資格を新たに取得した方はは年間で5万人いるそうです。その一方、夜勤が求められる過酷な労働環境、育児との両立が困難、人間関係の問題などの理由で、約10万人が離職しています。

地方病院の人手不足が深刻

育児の終了後、再び病院やクリニックに復職する看護師も多いため、実際の労働人口は増加傾向にあり、2009年には前年比で約3万6千人の増加で全国で働く看護師の数は約143万人にとなりました。

それでも、医療の高度化や高齢化社会で増加するお年寄りの患者さんなど、増え続ける需要に追いついていないのが現状です。あるデータによると2004年には、看護師の資格所有者のうち約65万人が就業していなかったとの推計もあります。これは資格所有者全体の約3分の1にもあたる数字です。

看護師が離職する理由としては、結婚や出産にくわえて、過酷な労働環境を挙げるケースが増えています。2008年の残業時間は、シフト勤務者で過労死の労働災害の認定基準である月50時間以上の人が約8%も占めており、夜勤回数も月9回以上が半数となっています。

看護師の増加による労働環境の改善、待遇の向上を実現するには、病院の経営状態や経営トップの意識によるところが小さくありません。また、スタッフを増加した病院は診療報酬で優遇されるようにシステムの改定を行ったり、夜勤手当の増額を合わせて実施するなどの国の政策も求められます。

出産などでブランク期間が長いため職場復帰に不安を持つ方を対象として、自治体や医療機関が看護師の復職支援セミナーを行っている地域は、仕事と育児の両立がしやすい環境が整っているため、看護師の平均勤続年数も長い傾向にあります。


治験の参加に消極的な日本の患者

海外ではごく普通に行われているにも拘らず、日本人は治験の参加に対して消極的な傾向が見られます。新薬の開発1件あたりの治験に必要な被験者の数は増加していますが、反比例する形となっているのです。

臨床試験のボランティア

日本人が消極的な理由のひとつは国民皆保険の存在です。一般に治験に参加すると、依頼者である製薬会社が検査代と薬代の多くを患者に変わって負担してくれるシステムになっています。保険制度が整っていない国では、これが治験参加へのインセンティブとして働くわけです。

しかし、日本の健康保険制度の下では、わざわざ治験に参加しなくても、通常の診療でも比較的安い費用で治療を受けることができます。そのため、がんや糖尿病のような新薬の登場が待ち望まれている一部の分野を除いては、治験に参加して、有効性や副作用が確認されていない薬を服用するよりも、既存の薬のほうがいいという意識が働きやすいのです。

しかし、既存の薬を上回る効果や安全性を持った新薬が市場に出るためには、治験は絶対に必要なプロセスです。十分な被験者が集まらないと、治験が長期化して、それだけ新薬が患者さんの元に届く期間も長くなってしまいます。日本ではそれに加えて、審査期間が長いことや、医療機関の受け入れ態勢が整っていないなど、欧米に比べて治験にかかるコストも高くなっています。

そこで製薬企業は自社で治験コーディネーターや臨床開発モニターを採用せずに、治験を実施する際に外部のSMO(治験施設支援機関)から派遣を受けることで人件費を抑えるなど、コスト削減を行っています。しかし、2014年はノバルティスファーマ社の治験データ改竄問題が明るみに出るなど、新薬開発の臨床試験を巡るネガティブなニュースが目立っています。


大規模病院で院内感染が頻発する理由

この数年、入院患者が新たな感染症にかかる「院内感染」のニュース(帝京大学医学部付属病院の多剤耐性アシネトバクターほか)をよく目にするようになりました。手術が成功しても院内感染でなくなることもあれば、外来患者や医師、看護師ら感染することもあります。日本は入院期間が他国に比べて長いため、それだけリスクが高くなっています。

手術中は感染リスクが高い

大学病院の友人に聞きましたが、病院はどうしても院内感染のリスクが高くなるそうです。その理由としては、まず、病気の治療に抗菌薬を使う機会が多いので、使っていくうちに薬が効かない(=耐性のある)菌が増えてくるためです。

人気漫画「こち亀」の両さんの体内細菌も劣悪な生活環境に晒されていくうちに鍛えられて、どんどんパワーアップするという話が10年以上前にありましたが、同じ原理です(笑)。細菌同士が薬に対抗する遺伝子を交換し合って耐性が広がることもあるというから厄介です。

次に、病院は病気や怪我で抵抗力の低下した人が多いということです。体の内外にいる微生物は、健康な上体ならなんともないものでも、弱っている患者や高齢者には脅威になることがあり、日和見感染と呼ばれています。

最後に、注射針やカテーテル、内視鏡、人工呼吸器など、医療の高度化で体にはいる医療器具が増え、病原体が体内に侵入する機会が増えている点が挙げられます。ちなみに院内感染でも最も多いのはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)です。